質感
外壁に何か表情を与えたいと考えました。
建築は人がつくるものだから、その痕跡が残るような素材選びをしたいと思っています。
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ソウル市内北村の路地に鉄の塀をみつけました。
防錆されておらず、全体を錆びが覆っています。
錆びの感じは、コールテン鋼ではなさそうですね。
フレームをアングルで組んでいるようです。上部は形鋼の庇になっていて、門扉の庇にもなっています。
建物の外壁は木材ですが、屋根のフレームもやはり形鋼のようです。
素材の使い方がうまいですね。
年月と共に、質感が出てくるという考え方もあると思われるし、質素で日本的な情緒がある建物です。
下段は石の小端積みです。これもまた良い感じです。
素材が本来持っている姿というのは、同じものは二つとなくて、人が手を加えてデザインできる物ではないだろう。そこには、たった一つの嘘もないのだから。
素材のありのままの姿を活かしきることが、それに応えることだと思っている。
自然素材などど言われて久しいが、そもそも日本の住宅は素材ありのままにつくられてきはずだ。
いつしか、新建材などと銘打った材料?がでてきて、偽物で埋め尽くされた。
決して材料開発や技術の進歩を否定するものではないが、人というのは、視覚だけで空間をとらえているわけではない。
触覚(手触り)、嗅覚(香り)を感じて、その空間の空気感をとらえている。
杉の木理、香り、手触り、塗り壁の手の痕跡。
人が住むのだから、素材を素直に使い、その質感に包み込まれるような空間をつくりたいと考えている。