細部を消すことを考える

建築を考える時に、結構やっかいなのが建具です。
機能性は勿論ですが、そのプロポーションも空間の雰囲気を左右します。
開き戸の場合は、どうしても金物(レバーハンドル、丁番、錠)などが必要になるため、煩雑になりがちです。
その場合は、隠し丁番を使うようにしています。それだけでも印象はまったく違います。

多摩平の家
引き込み戸


この建具は、引込み戸です。(壁の中に引き込む)
一切の金物は見せない。引き手も金物は使わない。三方にあるはずの枠も見せない。
細部を消すことに徹しています。
そのようにしてできた空間は、とてもシンプルです。
材質は、タモ練り付けです。
柾目か板目か。これも重要な選択肢になります。
柾目はさらにシンプルな雰囲気になりますが、ちょっと堅すぎる印象があるので、今回は板目を選択しました。
自然塗料(白)拭き取り仕上げにして、内壁との調和を図っています。
シンプルで柔らな雰囲気になりました。